まっぷたつの風景

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まっぷたつの風景
畠山直哉写真集
3,800円+税|235mm × 180mm|上製本|248ページ(写真124ページ、言葉124ページ)
造本設計・デザイン:大西正一


Cloven Landscape
Photographs by Naoya Hatakeyama
3,800 JPY|248pages|Hardcover
Art Direction : Masakazu Onishi


ISBN:978-4-86541-065-5 
Published in July 2017.





About Book 


2016年末~2017年頭にかけて、
せんだいメディアテークで開催され大きな話題を呼んだ
「畠山直哉 写真展 まっぷたつの風景」。


展示終了後も待望され続ける声に応え刊行される本書は、その記録と可能性を、写真(124頁)と言葉(124頁)の真ん中から再び開くものです。

写真パートは、収録が長年待ち望まれていた初期作「等高線」や、せんだいメディアテークという場所でなければこのような形で展示することはなかったかもしれないと作家が語る稀覯(きこう)作、貴重なコンタクトシートなど、30年の間に撮影された様々なシリーズからの作品群を収録。さらにそこに「それらの展示風景を作家自身が撮影した写真」も入ってくる画期的な構成により、写真それぞれの空間を回遊する私たちの身体を、再び風景の起源の問いへと誘起します。

また会期中に開催された、佐々木幹郎(詩人)、いがらしみきお(漫画家)、志賀理江子(写真家)との対談の載録、西村高宏(臨床哲学)のテキストなどによる言葉パートは、「風景は、ただそこにあったものではなく、人間が歌を詠んだり絵にしたり写真を撮ったりするたびに、新しく生まれている」と作家が話すような、風景の二面性や両義性を、三思(さんし)させることでしょう。

未曾有の出来事の先に拡げられた、わたしたちの社会、文明、生に対する、しなやかで大きな「問い」。
私たちの内にも外にもある自然=「風景」を横断するように差し出された、畠山直哉の写真と対話の空間へ、さらなる参画を期待する珠玉の一冊です。



Book Previews

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Artist Information

畠山直哉|Naoya Hatakeyama

写真家。1958年岩手県陸前高田市生まれ。筑波大学芸術専門学にて戦後前衛芸術集団「実験工房」のメンバーであった大辻清司や山口勝弘に薫陶を受ける。その後、東京を拠点に活動を行い、自然・都市・写真のかかわり合いに主眼をおいた一連の作品を制作する。
石灰石鉱山の連作と、東京の建築空間や水路を被写体にした作品群で注目を集め、1997年第22回木村伊兵衛写真賞、2001年第42回毎日芸術賞、2012年芸術選奨文部科学大臣賞などを受賞。国内外で個展、グループ展に多数参加し、2001年にはヴェニス・ビエンナーレ日本代表の一人に選出されている。また2012年には、ヴェニス・ビエンナーレ国際建築展の日本館展示に参加し、館はその年の金獅子賞を受賞した。
作品はTATE(ロンドン)、MoMA(ニューヨーク)、東京国立近代美術館をはじめとする、主要都市の美術館に収蔵されている。