高木こずえ、伊兵衛賞受賞!

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朝日新聞3月9日号

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読売新聞3月14日号文化欄よみうり堂写真集紹介コーナー『MID』紹介


 

朝日新聞紙上などでご存知の方も多いと思いますが、高木こずえが写真集『MID』『GROUND』で、木村伊兵衛写真賞を受賞しました。
心よりお祝い申し上げます。また、小社の2冊の写真集にお力を貸してくださった、TARO NASUの皆さん、デザイナーの秋山伸さん、印刷のサンエムカラーさんに感謝申し上げます。

高木こずえと写真集をつくるのは楽しい時間だった。
初めて高木さんに会ったのはもう数年も前のことで、写真新世紀で受賞した「insider」シリーズをもってきてくれたのだった。
そのセンスに目を瞠りながら、でも私がより強く惹かれたのは、卒業制作だというストレートフォトのブックで「MOTHER」というタイトルがついていた。それが写真集『MID』の原型である。もっとストレートを撮ればいいのに、、単なるストレートじゃ ないのに、、と繰り返し言った記憶があるが、それから時間が流れたある日、再び見てほしいと連絡をもらった。

出向いたTARO NASUには、ちょうどVOCA展搬入のための「GROUND」の大作2点も置かれてあって、それはたまたまのタイミングだったのだが、初めて私の中でストレートとコラージュの作品がつながった瞬間だった。作家としての必然や、円環するものにようやく気づけたというか、これは2冊いっしょに出すべきなのだなと思った。 ストレートフォトの新作を見にきたつもりが思いがけない展開になり、でもそういう偶然も含めて力なのだと思う、作家の。

そこからのほぼ1年、実家の長野に帰っては撮り続けてくれた新作や、まさに白熱するマトリックス状態で進化していったコラージュ。2つのシリーズが互いに追いかけっこをするようにして、「MID」と「GROUND」は生まれた。
構成するのもその可能性の奥行きがありすぎて、悩ましくも楽しかった。

つねに原初を引き受ける作家として高木こずえを尊敬している。また次なる作品で、見る私をあたらしく鮮しくしてほしい。