【ご感想】お客さまより仲田絵美写真集『よすが』へのご感想をお寄せいただきました

仲田絵美写真集『よすが』をお買い上げくださったお客さまから
作品へのご感想をお寄せいただきましたので、ご紹介いたします。
とても大切に、丁寧にご覧くださっていて、仲田さんも私たちも大変励まされました。
ぜひご一読ください。



仲田 絵美 - よすが
Emi Nakata - Yosuga 
ある日、この作品の写真家の母親がこの世から消えた。
生前の彼女を映し出す写真や遺品の数々が良い思い出に姿を変え、写真家本人に微笑みかけてきても失われた時間が動き出すことはないだろう。
写真家仲田絵美は、その奪われた時間を取り戻すかのように慎重にカメラを構えファインダーを覘く、記号化され思い出という琥珀の中に封じ込まれてしまった対象が、また自分と亡き母親との時間の中でゆっくり動きだすのを信じて。
丁寧に装丁されたこの作品のページをめくるたびに、一枚一枚の写真達が関係性を取り戻し彼女の時間の一部となりゆっくり流れだしてくるような感覚に襲われる瞬間は、ため息が出るほど美しい。
対象に純粋に向き合い、決して観念的でなく写真本来の姿を写し出す素晴らしい作品。






関連情報


会期中ずっと仲田さんが在廊されます。また、7日(土)には仲田さんによるギャラリートークも開催されます。