新刊『MASAHISA FUKASE』深瀬昌久、待望の集大成。 私性と遊戯を追い求めた40年。8/31(金)まで先行予約受付中!


1960年代から日本写真の第一線で活躍した写真家・深瀬昌久。だが、1992年の不慮の事故により、その活動は閉ざされた。「鴉」が不朽の名作として語り継がれる一方、そのほか大半の作品については紹介される機会が失われた。
  
初の決定版である本書は、謎多き写真家 深瀬の40年間に及ぶキャリアを俯瞰し、その写真表現の全貌を初めて浮き彫りにする。  

北海道の写真館の家系に生まれ、「私性」と「遊戯」の視座に根差した写真表現を多岐にわたる手法で探求した。その人生の中心には常に写真が腰を据え、内なるリビドーは周囲を巻き込み、己の人生をも破滅へ向かわせた。
  

初の写真展「豚を殺せ」で鮮烈に示した「"生"のポジとネガ」、写真の領域を拡張する「フォト・モンタージュ」、舞踏家らとの共同制作「遊戯」、人生の分岐点で姿を現す「鴉」と愛猫「サスケ」は妻の潜像でもあった。写真撮影の行為に介在する"触覚"なる感覚を意識し始めた「歩く眼」、その感覚は最終的に、セルフィーに近い「私景」や、老若男女とバーで舌を交わす「ベロベロ」、自宅の湯船で撮影を繰り返した「ブクブク」へと展開していった。
  

また、"写真家"として当初は強く反発していた、祖父の代から続く"写真師"としての視座をも次第に追い求め、それはやがて「家族」や「父の記憶」といった代表作に結実する。  
古い組立暗箱や巨大ポラロイドカメラでの撮影や、カラープリントをポラロイドフィルムで制作した「総天然色的街景」、プリントに着色や彩色を施す試みも、"写真師"としての視座がもたらした。  

本書では、作品ひとつひとつを時系列順に整理し、深瀬が雑誌に残した撮影後記や手記から、全26章にわたり、その制作意図や背景を丹念に描き出す。  
これまで断片的にしか見えてこなかった深瀬の作品が、軌跡となって立ち現れ、生涯をかけてカメラの先で何を見つめようとしていたのかを本質的に探ろうとする。  

巻末に年譜及び、主な雑誌寄稿を付す。  
写真表現の豊かさと凄みを湛え、未来に手渡す大冊。  

<目次より>   
北海道/東京 1952-1954/豚を殺せ/カラー・アプローチ/松原団地と新宿/遊戯-A PLAY-/家族・I/組立暗箱を担いで/烏1976/サスケ/鴉1979/烏・夢遊飛行/烏・東京篇/歩く眼・I/歩く眼・II/遊戯-A GAME-/総天然色的街景/烏景/家族・II/父の記憶/私景/ヒビ/ベロベロ/ブクブク/烏1992/オートマティズム   


5万字の作品解説、1万字の資料掲載!  



『MASAHISA FUKASE』  

監修・本文:トモ・コスガ  
序文:サイモン・ベーカー  
定価:8,000円+税  
発行 :  赤々舎  

一般発売日:2018年9月19日(水) 

416ページ | 26章 | 布張り上製本   
195mm × 260mm × 45 mm
  
8/31(金)まで先行予約受付中!  
小社HPからのご注文は、送料無料、9月1日(土)より順次発送でお届け致します。  
* "赤々舎もう一冊" が特典として付きます  
  

『MASAHISA FUKASE』は嫉妬させられる作品集でもあるし、  
このまま続けていけばいいんだなとも思わせてくれる。  
この作品集を観ていると、自分が感じた今を剥き出しに写真にしていっている。  
そういった情念チャレンジは震えるくらい。  
苦しみが写真から垣間見れるというか、もう最後の方のページはほんと。  
写真の面白さというべきか、写真家本人の人生が  
どうしても写ってしまう。どんなものを写真にしていても。  
何もされずにいた写真家深瀬がまたステージに上がってきたのだから。僕も負けてらんないな。  

田附勝(写真家) *ツイートより抜粋

このたび新刊『MASAHISA FUKASE』を刊行できることは、小社の深い喜びです。  
写真を愛する方、ジャンルを超えて写真表現に関心を抱くすべての方に、お手元に置いていただきたい一冊です。  
(小社HPからのご注文には、いつも通り"もう一冊"をお付け致します。お選びするのが楽しみです!)  
ぜひとも先行予約でのご注文をお待ち申し上げております!  

なお、NADiffさま銀座蔦屋書店さまでも、8/31まで各店さまによる特典付き(ポストカード、トークイベント無料、Tポイント10倍など)の先行予約を8/31まで受け付けています。