【イベント】藤代冥砂『あおあお』出版記念トークイベント-7月3日(日)/恵文社一乗寺店COTTAGE-

写真家・藤代冥砂さん初の風景写真集『あおあお』の出版を記念して、京都の書店 恵文社一乗寺店にて
トークイベント&サイン会を開催いたします。



日時:7月3日(日)
会場:恵文社一乗寺店COTTAGE
会場:14:30 / 開演:15:00
参加費:1500円(1ドリンク付き)
出演:藤代冥砂

ご予約、お問い合わせは 恵文社一乗寺店
こちら(恵文社のページへリンクします) 
または TEL 075-711-5919 までご連絡くださいませ。



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藤代冥砂 初の風景写真集

空と海のあいだ。海と森のあいだ。
あおあおと満ち、うごき、連なるいのち。

沖縄に移住して5年の月日のうちにいつしか撮りたまった写真は、
暮らしのなかで眼差しを向けた南国の光と色に溢れています。
神秘的な海の中の景色、そこここにある拝みの場所、循環する水の動き、鮮やかな動植物たち。
被写体と真っすぐに向き合い、その生命力を交歓するようにして撮られた一枚一枚から、突き抜けた明るさとともに、
世界に寄せる静かな祈りが伝わってきます。




光と色と祈りに満ちて

5年分の写真を振り返ると、気になる写真には光と色とがあった。

それは結構な量だったので、一冊にまとめてみたいと思った。
赤々舎の姫野さんに持っていくと、写真が上手ですね、と褒められた。写真が上手と言われたことはほとんど無かったので、そうか、写真うまいのか、と嬉しく思った。それは去年の冬の始まりの頃だった。
その後、たくさんの沖縄写真を持っていった。600枚くらいだったと思う。何度も会って、感想を交換した。写真の種類はもう少しだけ幅があったのだけど、 自然に光と色でまとめる方向へと定まっていった。それらに私の正対する視線がより強く残っていたからだ。その間、私は自分の撮った写真と現実の沖縄での暮 らしを、何度も何度も往復して、矛盾は無いか、嘘は無いか、をしっかりと確認した。大丈夫だった。
私は、光と色に添うようにして沖縄で5年を暮らした。島の歴史や現在の問題はそこに居れば、目に見え、耳に聞こえ、肌で感じられる。それを写そうと思わな かったのは、光と色に託してみたかったからだろう。それは無意識の選択でもあったが、強度があった。自分の持ち場はそこにあるのだと直感したのだと思う。
島の自然や暮らしの断片を通して輝く光と色の原初の美しさは、言葉にするならば、あおあお、であり、意味にするなら、祈り、に近いと感じた。私はあおあおとした世界で島の幸福を祈っている。
構成としては、海から始まり海で終わっている。水の循環である。終わりの一枚では、父が子供に何かを唱えている儀式のようにも見える。光が沈む頃の崇高さ は、時代と場所を問わないだろう。そして朝が来れば、はじめのページへと戻る。光と色と祈りに満ちた一日がまた始まるのだ。


藤代冥砂




写真集『あおあお』
出版:赤々舎
仕様:B5変型、104ページ、ソフトカバー
アートディレクション:塚原敬史
価格:本体2,600円+税