髙橋健太郎 写真集『A RED HAT』特別先行予約のご案内【〜5/6まで!】

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   髙橋健太郎  『A RED HAT』


  アートディレクション:Alex Sonderdgger

                Susanna Baer

  発行赤々舎

  サイズ:B5判 
  ページ数:200 pages
  上製本 

  Published in June 2020.
  ISBN:978-4-86541-116-4




        ¥ 4,200 +tax
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         こちらの商品は6/1(月)以降のお届け予定です。
         
         5/6(水)までにご予約頂いた方のお名前を、
         巻末の謝辞に記載させて頂きます(ご希望の方のみ)。



About Book


1941年、旭川師範学校美術部の生徒たちが特高警察に検挙された「生活図画事件」。
今を生きる当事者2人の生活を通して、80年前の事件を見る。
 

来る6月、髙橋健太郎の初写真集『A RED HAT』を刊行致します。
この写真集は、戦中の北海道旭川で美術部の学生だった菱谷良一氏(98歳)と松本五郎氏(99歳)の今の生活、
そして彼らが特高警察に逮捕された「生活図画事件」を追いつづける宮田汎氏(82歳)の姿を髙橋が撮影した「現代」の写真。そして彼らが大切に保管していた「過去」の写真や資料をもとに構成されています。
「テロ等準備罪」が成立した今、当時絵を描いていただけで「治安維持法」に反するとして逮捕されてしまった2人を、「生活」という視点で見つめたこの写真集が何か、現代の私たちの状況や生活を考える材料となるものを写しているのではないか。静かに進んでいくページの中に問いかけを多く含んだ写真集です。


本書の特別先行予約を、5月6日(水)まで承ります。
ご予約をいただくことは、制作と刊行の大変な励みとなります。
5月6日(水)までにご予約頂いた方のお名前を、
本書の巻末の謝辞に記載させていただければと思います(ご希望の方のみ)。
この機会に、どうぞよろしくお願い申し上げます。 





「生活図画事件」と写真集『A RED HAT』について  :髙橋健太郎

2017年6月から北海道旭川市在住の菱谷良一さん(現在98歳)、そして北海道音更町在住の松本五郎さん(現在99歳)のところへと通い、彼らの日々の生活にレンズを向けている。その日常はとても穏やかで、本を読んだり映画を観たり、絵を描いては友人たちと談笑したりひ孫さんたちと遊んだり。

そんな彼らは2人とも学生時代に同じ学校で美術部に所属しながら教師を目指していた。それがある日突然、刑務所に入れられる。
1941年9月20日早朝、旭川師範学校美術部の学生であった菱谷良一(当時19歳)と松本五郎(当時20歳)は学生寮で起床寸前のところを特別高等警察に治安維持法違反容疑で逮捕される。当時の美術部では熊田満佐吾先生(東京美術学校卒、現東京藝大)の指導のもと、より良い生き方を模索するため教科書通りに絵を描くのでなく、生活や社会の実態をよく観察しそれを絵にする美術教育が行われていた。しかしそれらの絵は突然、反国家的であり共産主義的だとして犯罪の証拠とされる。2人は何か強い思想を持って描いていたわけではない。結局1942年12月26日まで旭川刑務所に入れられる。そしてこれが「生活図画事件」と呼ばれている。

出所後の1943年2月11日、菱谷良一さんは妹さんの赤い帽子を被り、自画像を描いた。




80年近くを経て、もはや写真では捉えられない出来事を、それを体験した人たちの現在の姿をとおして写しとろうと試みている。困難で切実なその試みは、時間の流れにあらがえない私たちに、だからこそ忘れてはいけないものがあるのではないかと問いかける。 
 太田 愛(小説家・脚本家)(『A RED HAT』に寄せて」より)


彼らの今の平穏な生活を撮ることの意味を考えることは逆に、一世紀近く生きてこられた彼らの人生の中であの時経験せざるを得なかった生活図画事件を異質な出来事として私に突きつけてくる。

髙橋健太郎(あとがきより)


 
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(写真集『A RED HAT』打ち合わせ場面)    




Artist Information 


髙橋健太郎 | Kentaro Takahashi 

1989年横浜市生まれ。2012年青山学院大学社会情報学部卒業。卒業後、スイスの写真家Andreas Seibertに写真を教わる。
2014年、多摩川が題材の作品「The Riverbed」でConscientious Portfolio Competition 2014 選出、および第9回 Reminders Photography Stronghold Grantを受賞。2015年、フランスの新聞Le Mondeの依頼で原爆投下70 年の広島を撮影、同紙に掲載。 2017年より戦前の北海道で起こった「生活図画教育事件」の取材を始める。
2019年に「A Red Hat」と題してニコンサロンで展示開催。
The New York Times、Le Monde、de Volkskrant、Bloomberg、Spiegel、soar等に寄稿。

Born in 1989 in Yokohama, Japan. He graduated from the Social Science and Informatics Department of Aoyama Gakuin University in 2012.
After graduating, he studied photography from Swiss photographer Andreas Seibert. In 2014, he was selected for the Conscientious Portfolio Competition 2014 and won the 9th Reminders Photography Stronghold Grant for his work "The Riverbed" by documenting people's lives along the Tamagawa River. In 2015, he was commissioned by the French newspaper Le Monde to photograph Hiroshima at the 70th anniversary of the atomic bombing and was published on the front cover. In 2017, he began documenting the "Life Drawing Case" which took place in pre-war Hokkaido. In 2019, he exhibited the work as "A Red Hat" at the Nikon Salon. His clients include The New York Times, Le Monde, de Volkskrant, Bloomberg, Spiegel, soar among others.




YouTubeチャンネル「Kentaro Takahashi Photography


髙橋健太郎さんが『A RED HAT』にまつわる様々なお話を更新予定です。
引き続きのご注目、および、チャンネル登録のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。