NEROLI

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NEROLI
吉野英理香写真集
5,000円+税|230×272mm|72ページ|上製本
アートディレクション:田中義久
寄稿:菊竹寛
翻訳:宮城太
NEROLI
Works of Erika Yoshino
5,000JPY|230×272mm|72 pages|Hard cover
Art Direction : Yoshihisa Tanaka
Essay:Yutaka Kikutake
Translation:Hutoshi Miyagi

ISBN:978-4-86541-045-7
Published in July 2016.



About Book 


写真に宿るパッションや偶然性、かけがえのない時間。


吉野英理香の新作「NEROLI」(ネロリ)は、ビターオレンジの花から抽出されたアロマオイルの名前に由来します。花の蜜に、木の皮や葉の香りが入り混ざった複雑な香り。時間を集め、環境との関わりを経て抽出されたイメージが、見る人のうちに呼び起こすものを、香りに託しています。
鏡の反射像を映し込んだものや、繰り返される水のイメージ。愛する音楽のジャケットをセットアップして撮影したもの。さらにプリントを再撮影したり、写真そのものの生成や喪失を連想させるものーーその作品世界は、写真家自身が作り出した小さな虚構の世界が現実と交じり、掴むことのできない大切な瞬間へ向かっています。
イエローの布に包まれた繊細な造本も見どころのひとつ。菊竹寛によるテキスト「音色のように残響する」を巻末に収載しています。

「オルゴールが止まりかける、音が抽象性を増し始める瞬間のような写真ー吉野さんの写真を、例えばそう言ってみる。オルゴールは、そこに刻まれた音階にゼンマイで巻かれた振動板がまるで紙を櫛で解くように触れることで、音楽が奏でられる。けれども、やがて回転が遅くなると曲を奏でることを止め、抽象性を増した匿名の音色へと姿を変えていく。曲を奏でるために順序だてられた音階が確かにそこにあるにもかかわらず、曲の名残を伝える音色へと姿を変える音の群れたち。」 菊竹寛「音色のように残響する」より



Book Previews

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Artist Information

吉野英理香(よしの えりか)|Erika Yoshino

1970年埼玉県本庄市生まれ。1989年から写真の制作を開始し、1994年に東京総合写真専門学校を卒業。在学中には写真家・鈴木清らの影響を受けな がら制作を続け、90年代半ば以降はいわゆるストリート・フォトグラファーとして、多数のモノクロ作品を発表する。2010年からカラー作品の制作を開始。都心から関東北部で撮影される作品は、見る者をその独特の作品世界に引き込む新たな魅力を湛えている。