スカイフィッシュ

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スカイフィッシュ
高橋宗正 写真集 
2,800円+税 | 205 × 270 mm | 100頁 | 並製本
アートディレクション : 塚原敬史

SKYFISH
Photographs by Munemasa Takahashi


2,800JPY | 205 × 270 mm | 100 page | softcover
Art Director : Takashi Tsukahara


ISBN : 978-4-903545-56-1
Published in March 2010








About Book 

高橋宗正は2004年にart & river bank(東京)で開催した個展「hinterland」以来、"写真にしかできない表現"を追求してきた。高橋が満を持して刊行する『スカイフィッシュ』は、写真につきまといがちな「物語性」を排し、写真表現の力だけを推進力にして構成されている写真集である。

雪の火口湖に立つ人影、水の中を漂う細長い魚影、夜陰に舞う雪と戦ぐ木枝、雪を浴びる長髪の男、火山礫に停めた車と三人の男、蜘蛛の巣についた水滴......。なんの脈略もないかのように並ぶ写真は、6×6、35mm、デジタルカメラと複数のカメラが混ざり合い、フォーマットも縦、横とさまざまだ。
かつて高橋宗正にインタビューしたとき、憧れているアーチストとして、映画監督の宮崎駿の名前が出てきたことがある。
「作品はもちろんなんですが、宮崎駿さんの言葉が好きなんです。〈入り口は広く、出口は狭く〉であるとか〈本物をつくらなきゃいけない〉とか。『本物ってなんですか?』って訊かれた宮崎さんが『そんなものはわからない。本物は本物だよ』って答えているところなんか、すごいと思います。
ぼくの場合、『hinterland』を発表したときでも、身近な人はみんな拒否反応を起こすだけで、写真にかかわりのない友だちはだれも興味を持ってくれませんでした。アートだという提示の仕方自体が見る人を拒むというのでは、なんのためにやっているのだろう......。だったらいま目の前にいる人たちに向けて、作品をつくりたいと思ったんです」。
このような発言の一方で、写真集『スカイフィッシュ』を支配しているのは、瞬間や空間を切り取る写真ならではの視線と、激しい断絶の感覚である。また "現実らしさ"や"虚構性"を感じる写真も目を惹くことだろう。
大衆性を指向するかのような発言と、拒絶的にも見える写真の羅列。この二つは、決して矛盾しているわけではない。"アート"というジャンルや"文学"の物語性に依存することなく、写真が"写真それ自体"として自立することを目指し、写真以外では不可能な表現を模索しているのだ。それはまるで"孤独な綱渡り"かもしれないかもしれないけれど、写真を撮るということは、本来このようなことだったはずだ。
 高橋宗正は、写真によって"物語を紡ぐ"という常識化した通念に立ち向かい、写真本来の力を取り戻そうとしているのである。

畑中章宏(編集者)



「スカイフィッシュ」

スカイフィッシュとは十数年前に、一部テレビなどでよく特集されていた架空の生き物です。それは現代のネッシーといったようなものです。
ぼくは当時、そんなものいるわけがないとは思いつつ、頭のもう一方では、そういった自分の常識を超えたものが存在するのかもしれないということに、とてもワクワクしました。ネッシーもサンタも宇宙人も本当はいないかもしれないけれど、もしかしたらいるのかも、と思える方が世界は楽しいかもしれません。

ぼくは産まれた時、地球が丸いことを知りませんでした。空が青いことも海がでかいこともカレーライスがとてもおいしいことも知りませんでした。 けれどいつの間にか知っていました。いつ知ったかは全く覚えていません。
そして同じことが今でも続いています。いろんなことを知り続け、いつの間にか世界のイメージは上書きされていくのです。

ぼくは写真を撮る時、アンテナを全開にして思考をパタッと閉じて、目に映るいろいろなものをじーっと見てみます。すると時にはノイズだらけの世界に、なんだかキラリと光るものが見えてくることがあります。土に埋もれる化石のように。ぼくはそれに近づき、フレーミングやコンピューターを使うことで少しずつその化石の姿を明確にしていきます。そうやって風景の部分でしかなかったものを切り取り、ツルツルに磨き上げると写真になります。

現実を見つめると同時に、その部分から繋がる不思議で美しくて興味深い世界を夢想すること。ぼくはこの写真で少しくらいその提案が出来ればと思っています。

もしよかったら写真を見てみてください。

高橋宗正

Munemasa Takahashi is a native and resident of Tokyo, but "SKYFISH" shows his desire to encounter the outdoors. In a direct way, this work is about the experience of photographing nature, as we sometimes see Takahashi's camera-bearing friends exploring remote landscapes. In one case, a friend is lying down on his back under a waterfall, already completely drenched, but still pointing his camera up to the sky. It's an image that sums up the daring attitude to travel on display here. This book will certainly interest anyone who's wanted to experience the vastness of nature. Includes a biographical note in English.

Book Previews

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Artist Information

高橋宗正 | Munemasa Takahashia > HP http://www.munemas.com 

1980 東京生まれ
2001 日本写真芸術専門学校卒業

- 個展 -
2004 「hinterland」 art & bank(東京)
2010 「スカイフィッシュ」AKAAKA(東京)

- グループ展 -
2005 「チャウス展 -導かれし者たち-」CASO(グループ展)

- 受賞 -
2001 清里フォトミュージアム「第7回ヤングポートフォリオ入選」
2002 キヤノン写真新世紀優秀賞を写真ユニットSABAにて受賞
2008  LittelemoreBOOKS第1回写真集公募展 リトルモア賞

1980 Born in Tokyo
2001 Graduated from Nippon Photography Institute

- Solo Exhibition -
2004 "hinterland" art & bank, Tokyo
2010 "SKYFISH" AKAAKA, Tokyo

- Group Exhibition -
2005 "CHAUSU1 : Chapters of the Chosen" CASO, Osaka

- Awards -
2001 Young Portfolio (Kiyosato Photo Museum)
2002 Superior Prize at 25th Canon New Cosmos of Photography
2008 littlemore Prize at "1st littlemoreBCCKS juried art exhibition of Photobook" by littlemore and BCCKS