【Pre-Order】『それがやさしさじゃ困る』鳥羽和久(文)植本一子(写真)

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 『それがやさしさじゃ困る』
  鳥羽和久(文) 植本一子(写真)
   

  Book Design:根本匠

  発行:赤々舎

  Size:
H195mm x W148mm
  Page:232 pages
  Binding:Softcover

  Published in September 2025
  ISBN:
978-4-86541-210-9
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About Book


子どもが自分でつかむまで!

大人が「わかったふり」をやめると、対話がはじまる。焦らず、 断ち切らず、観察しつづけるための視点──。学び・進路・日常相談と一年の日記から、関係がほどける瞬間を見つめる教育エッセイ。



『それがやさしさじゃ困る』は、子どもに向けられる「善意」や「配慮」が、時に子どもの心を傷つけ、主体性を奪ってしまうという逆説を、教育現場の最前線で20年以上子どもと向き合ってきた著者・鳥羽和久さんが鋭く描き出す一冊です。「失敗させまい」「傷つけまい」という大人の"先回り"が、実は子どもの可能性を閉ざしてしまう──。本書では「学校」「親と子」「勉強」「受験」といったテーマを軸に、現代教育の盲点と私たち大人が抱える不安の影を浮かび上がらせます。単なる批判にとどまらず、大人の葛藤や弱さへの眼差しがこめられているからこそ、その言葉は深く胸に響きます。

さらに本書を特別なものにしているのは、ページ下部に並走する一年間の日記の存在です。そこには、卒業生との忘れられない一瞬や、親子の関わりの奥に潜む無自覚な"デリカシーのなさ"への気づきなど、教育の現場で生まれた生の思索が断片的に綴られています。論として伝えられるエッセイと、濾過されない日々の記録が呼応し合い、本書は単なる教育論を超えた、立体的で豊かな手触りを届けてくれます。

解決策を提示する本ではありません。むしろ「間違うこと」「揺れ動くこと」を恐れず、子どもを信じて共に歩むことの大切さを、本書は静かに指し示しています。大人として迷い続ける私たちに寄り添い、伴走してくれる一冊です。

そして本書には、写真家・植本一子さんが鳥羽さんの教室やその周辺で撮り下ろした写真が栞のように差し挟まれています。子どもたちの表情や存在は、エッセイや日記で綴られる思索に呼応し、本書を照らし、「いま、ここ」の空気を手渡してくれるでしょう。




"《人生を楽しむコツは「よいこと」を大切に後まで取っておかないこと。出合ったときにつかまえること。》大人はこの瞬間を見逃さないようにだけ腐心していればよい。教育のなかに、ありもしなかった自分の黄金時代を託し、子どもらの現在を嘆くのは、子どもの芽を摘むだけ。教育のほとんどの問題は、バランスを崩した大人たちの不安から生まれる。子どもに過剰な配慮をするより、ダラしない自分を晒し、こんなのでも生きていけると見せるほうがうんといい。"

鷲田清一(哲学者)帯文より





A Kindness That Harms

Kazuhisa Toba + Ichiko Uemotonto


Conversation opens when adults let go of the pretense of understanding. This book asks us to slow our pace, to resist cutting threads too quickly, and to keep watching--patiently, attentively. Essays on learning, life choices, and everyday worries are interleaved with a yearlong diary, tracing those quiet instants when a bond loosens and returns in a new shape.

Written by Kazuhisa Toba, an educator who has spent over two decades alongside children, A Kindness That Harms illuminates a troubling paradox: the "kindness" and "consideration" adults extend can, at times, bruise a child's heart and strip away autonomy.

What makes the book singular is the diary that runs along the bottom margin of each page--fragments from the classroom: an unforgettable moment with a graduate, a sudden awareness of the unthinking indelicacies within families, thoughts caught before they harden into doctrine. In conversation with the crafted essays, these unfiltered entries lend the work a layered presence that quietly steps beyond conventional educational discourse.

This is not a manual of fixes. It points instead--gently--toward walking with children: trusting them, allowing for error, welcoming uncertainty. For adults who continue to hesitate and waver, the book offers a companionable clarity.

Photographs by Ichiko Uemoto, taken in and around Toba's classroom, appear like bookmarks slipped between pages, deepening the resonance of lived time

Text in Japanese only





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『それがやさしさじゃ困る』刊行記念トークイベント
鳥羽和久 × 石川直樹


日時:2025年10月24日(金)予定

会場:PURPLE (京都市中京区式阿弥町122-1 3F


※ 詳細近日公開





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Artist Information 


鳥羽 和久(Kazuhisa Toba)

1976年 福岡県生まれ。2002年、大学院在学中に中学生40名を集めて学習塾を開き、以後、小中高生の学びに携わり続ける。現在、株式会社寺子屋ネット福岡代表取締役、唐人町寺子屋塾長、単位制高校「航空高校唐人町」校長、及びオルタナティブスクールTERA代表。著書に『親子の手帖増補版』(鳥影社)、『おやときどきこども』(ナナロク社)、『君は君の人生の主役になれ』(ちくまプリマー新書)、『「推し」の文化論│BTSから世界とつながる』(晶文社)、『光る夏旅をしても僕はそのまま』(晶文社)、編著に『「学び」がわからなくなったときに読む本』(あさま社)などがある。


植本 一子Ichiko Uemotonto

写真家。1984年 広島県生まれ。2003年にキヤノン写真新世紀で優秀賞を受賞。下北沢に自然光を使った写真館「天然スタジオ」を立ち上げる。主な著書に『かなわない』『愛は時間がかかる』、写真集に『うれしい生活』、小説家・滝口悠生との共著『さびしさについて』などがある。主な展覧会に「アカルイカテイ」(広島市現代美術館)、「つくりかけラボ07あの日のことおぼえてる?」(千葉市美術館)。




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