ルワンダ ジェノサイドから生まれて

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ルワンダ ジェノサイドから生まれて
写真・インタビュー ジョナサン・トーゴヴニク
企画・翻訳 竹内万里子  
3,300円+税 | 220 × 250 mm | 144頁 | 上製本
アートディレクション : 町口景

IntendedConsequences : Rwandan Children Born of Rape
Photographs and Interview by Jonathan Torgovnik
Planned and Translated by Mariko Takeuchi


3,300JPY | 220 × 250 mm | 144 page | hardcover
Art Director : Hikari Machiguchi


ISBN : 978-4-903545-58-5
Published in September 2010





カメラに向けられた力強い眼差し。沈黙の果てに語られる言葉。
ジェノサイドの際に性的暴力を受けた女性とその子どもたちの肖像。


「こんなヘビーな本なのに、不思議に心がゆったりした。きっと子供たちの目が、めちゃくちゃ美しくて、それに救われたんだと思う」 (坂本龍一)

「トーゴヴニクは代弁しない。恫喝しない。みずからの正に酔わない。
 〈圧倒的な現実〉に対してアートの無力を嘆く、などといった常套にも断じて屈しない。
 ーその不屈こそが突きつける、この〈写真〉と〈証言〉の無限の切り結び合いを、今こそ、そして此処でこそ。」 (佐々木 中)


20世紀最大の悲劇のひとつ、ルワンダのジェノサイド(集団殺害)の際に、大勢の女性が「武器」として性的暴力を受け、その結果およそ2万人の子供たちが生まれたという事実は、いまなおほとんど知られていません。母親たちの多くは、いまだに深刻な肉体的・精神的トラウマを抱えながら、社会的に孤立した状態で子供を育てており、その半数以上はHIV/エイズにかかっているとも言われています。
ニューヨークを拠点に活動中の写真家ジョナサン・トーゴヴニクは、取材で訪れたルワンダでこのような現実を初めて知り、大きな衝撃を受けます。そこでみずからのプロジェクトとして、3年間をかけてこうした境遇にある女性たちへのインタビューと撮影を行ないました。カメラの前に初めて立った母親たちとその言葉には、事実の生々しさを超えて、人間のもち得る真実の強さが秘められています。

本書の著者、ジョナサン・トーゴヴニクは、写真家という立場を逸脱するようにして自らインタビューも行い、「ルワンダ財団」を立ち上げるに至りました。社会との接点に身を晒しながら撮ろうとするなかで突き当たる限界と、それゆえの可能性を本書は体現しています。それは、アートとジャーナリズムの架け橋という本質的な可能性とも言えるのかもしれません。

Book Previews

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Artist Information

ジョナサン・トーゴヴニク | Jonathan Torgovnik  > HP
1969年イスラエル生まれ。ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアルアーツで写真の学位を取得し、以後フリーランスの写真家として活動を始める。2003年インドの映画産業を追った写真集『Bollywood Dreams』を発表。2005年には「Newsweek」誌の契約写真家となり、現在ニューヨークの国際写真センター(ICP)で後進の指導にもあたる。性的暴力から生まれたルワンダの子供たちの中等教育を支援する「ルワンダ財団」(Foundation Rwanda)の共同設立者。

JONATHAN TORGOVNIK's (born in Israel, 1969) photographs have been widely exhibited and published in numerous international publications, including Newsweek, Aperture, GEO, Sunday Times Magazine, and Stern, among others. He has been a contract photographer for Newsweek magazine since 2005, and is on the faculty of the International Center of Photography School in New York. In 2007, Torgovnik won the National Portrait Gallery's Photographic Portrait Prize for an image from Intended Consequences. He is co-founder of Foundation Rwanda, a non-profit organization that supports secondary school education for children born of rape in Rwanda.



竹内万里子 | Mariko Takeuchi
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展覧会

「時代の精神展」第一回
 ジョナサン・トーゴヴニク写真展「ルワンダ ジェノサイドから生まれて」

会期 2010年11月20日(土)〜12月19日(日)
会場 Galerie Aube ギャルリ・オーブ [京都造形芸術大学 人間館1階]
10:30〜18:30 会期中無休 入場無料
主催 京都造形芸術大学

ニコンサロン企画展
 ジョナサン・トーゴヴニク写真展「ルワンダ ジェノサイドから生まれて」

会期 2011年1月19日(水)〜2月1日(火)
会場 銀座ニコンサロン
会期中無休 入場無料
主催 京都造形芸術大学
※会場の都合により、京都展よりも規模を縮小した展示となります。


関連イベント

11月20日(土)
17:30-18:00 アーティスト・トーク
18:00-19:00 オープニング・レセプション
会場:ギャルリ・オーブ(京都造形芸術大学 人間館一階)
日本語通訳付き

11月24日(水)
18:30-20:00 アーティスト・トーク+ディスカッション
会場:京都造形芸術大学 人間館102教室
日本語通訳付き

11月26日(金)
19:00-21:00 アーティスト・トーク
会場:スペースAKAAKA(赤々舎、東京)
日本語通訳付き

12月5日(日)
15:00-17:00 トーク「『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』をめぐって」(仮)
出席者:町口景(グラフィック・デザイナー)、竹内万里子(批評家、京都造形芸術大学准教授)、姫野希美(赤々舎代表)
会場:スペースAKAAKA(赤々舎、東京)

以上すべて入場無料、事前予約不要