待望の『りんご通信』第7号には、韓国の写真家ファン・イェジをはじめとする7名が寄せた、まなざしと言葉が静かに編み込まれています。 遠くから近くへ、近くから遠くへ。ふと立ち止まる場所から、再び、生の時間へ。何かを失い、辿り、そのあわいを往復するなかで、目に映るものや手放したものとの距離は、ゆっくりと変わっていきます。 日常にふと訪れる別れへの気づきや、未だ喪を辿り続けるありよう。そして、推動のうちにある、わたしたちの今。そのうつろいに目をこらし、想像をめぐらせる『りんご通信』は、読むたびに新しい光をたたえながら、まだ名前のついていない眼差しや思いに、そっと実りの輪郭を与えてくれることでしょう。
-------------------------------------------------------------------------------------------- 「りんご通信 7」 ファン・イェジ|ひりつく抱擁「死の系譜」鄭智星 訳大道康輝|505清水裕貴| Bar Landscape Vol.7 ─「酸欠の遊戯」齋藤陽道| ホットブルー日記川崎祐| 本と明け方 6 ─ それだけでない何か別の、とても大切な何か戸田昌子| フランス・アイルランド日記 ロワゾナショナル編堀井ヒロツグ|からだの波打ち際で 2 --------------------------------------------------------------------------------------------
韓国語の「見る」──보다 (ポダ)には、「会う」という意味もあるのだと、ソウルから京都へ留学に来ていた友人が教えてくれた。その言葉を耳にして、ふと思った。写真を"見る"ということはきっと、そこに写る光と陰に"出会う"ことでもあるのだろう、と。時制を隔てる柵を軽やかにこえていくまなざしで、この世界を先に去ったあの人にも、写真のなかでなら"会う"ことができるのかもしれない。今号からは新たに大道康輝さん、そして韓国からファン・イェジ(황예지) さんが、過去や未来を行き交う光について記述する。りんごのページを見つめるその先で、時の岸辺にそっと触れるような出会いがあることを願って── (髙橋健太郎 編集後記より)
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©Koki Daido
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