Blog

インタビューがDAZEDのwebサイトに掲載されました。
また、現在発売中の雑誌「ブルータス」の「次は誰?」特集でも、小社代表姫野が石川竜一を紹介しています。

どちらもぜひご一読ください。


「ブルータス」はこちらの表紙の号です。
BRUTUS_150305.jpg


[ 理由 ]
◎ 瞬間を捕えるのではなく受け入れる写真。
◎ 身の回りの写真で時代を表象している。

物事の本質を象徴していたり人の内面の一端を表していたりと、多くの写真家は意味の込もった一枚を求めて、能動的に瞬間を捕えようとします。対して石川竜一は、そこにある状況をいかに写真で受け入れるかということを、撮る行為の核に置く写真家。沖縄の写真なので、当然、固有の歴史や政治状況を象徴するものが写り込むけれど、彼はそれを訴えたいわけではなく、自分の生活圏内でありのままの沖縄の土地、人を撮ったに過ぎません。それが沖縄の外で響くのは、混沌とした現代における、もっと大きな何かが期せずして描かれているからだと思います。


- - - - - - - - -

Street peeping in Okinawa

Dazed_150305.JPG
© Ryuichi Ishikawa


掲載ページはこちら(英語のDazedのページへリンクします)
http://www.dazeddigital.com/photography/article/23351/1/street-peeping-in-okinawa



石川竜一インタビュー(日本語)

1 写真集について、出すに至った経緯やその他、教えてください。
 2012年の写真新世紀で清水穣さんから佳作を頂き、展示のために東京に行くきっかけを頂きました。その際、どうせ東京に行くならと、恩師の勇崎哲史から数名の写真、美術関係者を紹介して頂き、東京にいる間にその方々にたくさん写真を見て頂きました。その中に文筆家で写真家の大竹昭子さんがいて、大竹さんに写真を見て頂いてすぐに、今回僕の写真集を出版して下さった出版社「赤々舎」の姫野希美さんと、その展示をして頂いたギャラリー「ATSUKOBAROUH」のアツコ•バルーさんを紹介して頂きました。
 それから1年が経って、これまでと違う方法で自分の写真をまとめてみたいと思いスナップを見返して自主制作の写真集を作りました。2014年にその写真集が完成して、今度はその時に沖縄に滞在制作に来ていた初沢亜利さんの紹介で東京に行きました。写真集のことを完成前からwebサイトで取り上げて頂いた都築響一さんや写真集のタイトルを決めるきっかけを頂いた木元禎一さん今回、写真集や展示会に関係するデザインを担って頂いた町口景さんを訪ね、もう一度姫野さんを訪ねました。
そのときに姫野さんがその場でスナップの写真集(絶景のポリフォニー)の出版を決めてくれました。それが2月頃で、4月頃からほぼ毎日スカイプで話をしました。写真集に関係することから全く関係ない日常のことまで話をして、6月に清水穣さんに京都での展示に誘って頂いた際に同時に赤々舎で打ち合わせをして、その中で急に姫野さんから2012年に見て頂いたポートレイトの写真集も一緒に作ろうという話を頂きました。僕としては急いでいるわけでもなかったので、迷いましたが、せっかくの機会だからということで同時に作ることにしました。それからは猛スピードで展示会などの色々なことが決まっていき、それについて行くのでいっぱいで、なにがなんだか分かっていません。
 もともとフラフラと写真を撮るのが好きなだけで、こういうかたちでいろんな人に写真を見てもらえるようになったのは、ほんとに周りの方々に助けられてのことです。


2 ストリートフォトのどういうところが魅力(取り組みたくなる理由)ですか?
写真は正直でいることを許してくれます。撮りたいと思うものを撮れば、それだけでたくさんのことを教えてくれます。考えるきっかけをくれるし、思い出すきっかけをくれます。自分のことや、相手のことや、時代のこと、土地のこと、ボタンを押すだけでたくさんのことが写ってしまいます。だから出来るだけ構えずに自然体でいたいと思っています。

3 被写体や撮影場所はどのように決めていますか? また、撮影にはどのような準備・演出をしていますか?
 意識して写真を撮りに出かけるということはあまりありません。仕事の合間や、用事でどこかに行ったとき、普段友達と遊んでいる時、その場所で撮ります。その方が自分の意識を超えたところへ連れて行ってくれるからです。
 気になった人、話してみたい人がいたら何も考えずにすぐ声をかけます。もし、朝ご飯にオムライスを食べていて、その日、家を出てからTシャツにケッチャップがついた人が歩いていたら声を掛けると思いますが、もし朝ご飯がオムライスではなく、ハンバーグを食べていたら別の人に声を掛けると思います。もし、同じ10人の人が2つの場所を歩いていたとして、それぞれの場所で、撮りたいと思う人は変わるかもしれません。そうやって気になった人にとにかく声をかけて、撮影に応じてくれた中から、まとめる段階で、自分が何を見ていたのかを考えます。
準備といえば、持ている機材やカメラなど20kg以上を普段から鞄の中に持ち歩いています。それは僕の中で、今しか出来ない事という中の一つの遊びのようなものです。
演出という事では、人と出会った時にその場所から見える範囲での移動をお願いする事があります。その場所のより多くが写る方を選ぶ事が多いです。
できるだけリラックスするようにお願いします。笑顔などの作られた表情はその人を隠してしまう事があります。リラックスした表情や姿勢は、皺や筋肉のつき方などから、その人の日常やその人自身を見せてくれるように思います。

4 どんな人物を撮るのが好きですか? また、その人たちはカメラの前でどんなリアクションをしますか?
 その時に気になった人に声をかけるので、一概にどういう人かということはいえません。
 ただ、仕事中とかではなく、差はあるにしても、その人が選択したであろう状態の時に、撮りたいと思う事が多いと思います。そういう時にこそ、その人の持っている「何か」が出て来ているように感じるからです。


5 「僕らは、いつもどこかですれちがい、記憶の奥で埋もれてしまうほどの小さな残像となっていく。」という言葉を写真集に載せていますが、あなたの写真はどのようにして個人の人格やストーリーを永遠(不滅のもの)にしますか?
 人格やストーリーは固定する事は出来ません。人も物もすべては流動的で不安定なものです。写真に写すという事にしても、すべてを固定できる事はありません。当然、写らないものがあり、表現である以上関わる人や時間に委ねられるところがあります。どううまく言えばいいのか分かりませんが、写っている事に関して考え、想像するためのピースとして写真があるというように思っています。
 恩師の言葉を借りて言えば「写真はドキュメントではなくモニュメント」という事かもしれません。



6 あなたの写真を3つの言葉で表すと?
 wat is that

7 「ある人は好きな人の話をしてくれて、ある人は親への不満を打ち明けてくれて」という言葉を写真集に載せていますが、あなたの写真にセラピー的な側面はあると思いますか?
 僕の写真に限らず、人と人が関わるということはそれだけで、自分の存在を確かめるという重要な意味をもっています。同時にその存在の確認によって大きなストレスもかけてしまいます。そういう意味で言うとある人にとっては癒しであるかもしれませんし、ある人にとってはただ写真に写るという事でしかありませんし、もしかすると迷惑な事でしかないかもしれません。だから出来る限りその人のことを思うことが大切だと思っています。
 色々な人達がいて、色々な生き方があるということが僕にとってとて救いであるし、そう感じてくれる人がいてくれたら嬉しいとも思います。




写真集『絶景のポリフォニー』『okinawan portraits 2010-2012』はこちらからお買い求めいただけます。
bk-ishikawa-zk-02.jpg
bk-ishikawa-op-02.jpg

石川竜一さんがフランス・パリのGalerie/Nordで3月7日(土)から写真展を開催いたします。
3月7日は一般公開ですが、8日(日)~31日(火)は関係者やコレクターの方限定でコンタクトをとっていただいてからの
内覧になります。

パリにお知り合いがいらっしゃる方は、ぜひお知らせ頂ければ幸いです。


RyuichiIshikawaParis2015.jpg

石川竜一写真展
A Grand Polyphony

会期
2015年3月7日(土)〜31日(火)

場所
Galerie/Nord
11, rue de l'Aqueduc
75010 75010
M° Gare du nord
France


詳細(Galerie Nordのページへリンクします)



写真集『絶景のポリフォニー』『okinawan portraits 2010-2012』はこちらからお買い求めいただけます。
bk-ishikawa-zk-02.jpg
bk-ishikawa-op-02.jpg
広川泰士さんとBACH代表・ブックディレクターの幅允孝さんによる、写真集『BABEL ORDINARY LANDSCAPESの刊行記念トークイベントが開催されます。
昔から写真について語り合う仲というお二人が、人類の営みを見つめるような本作の写真を通して、
人間の未来について、撮影の裏話なども交えつつ、語り合ってくださいます。

皆さまぜひ、足をお運びください!


B067.jpg

広川泰士×幅允孝
「未来は創る事が出来ると私は信じている」
『BABEL ORDINARY LANDSCAPES』刊行記念


写真家の広川泰士さんによる最新写真集『BABEL ORDINARY LANDSCAPES』が、3月5日に赤々舎より刊行されます。

地球との関係、宇宙との関係において、人間の存在と営みを表し続けてきた広川さん。
本書に収録される写真群は、人間が自然を破壊した風景、自然が自らの居場所を奪還しようとする風景、地震と原発がもたらした風景、インフラ、都市のスクラップアンドビルドなどが展開されており、人影がほぼ写っていないながらも、未来へ向かおうとする人類へのメッセージとも見てと ることができます。

今回B&Bでは、『BABEL ORDINARY LANDSCAPES』刊行を記念してイベントを開催します。
対談のお相手には、BACH代表・ブックディレクターの幅允孝さんをお迎えいたします。
広川さんと幅さんは、昔から写真について語り合う仲であり、広川さんが参加した2006年の第1回ゼラチンシルバーセッションでは、幅さんが企画構成、コーディネーターとしても参加されました。

今回のイベントでは、写真集に収められた風景をもとに、有史以来、創造し、自ら破壊し、また自然によって破壊される事を繰り返し生きて来た人を見つめるとともに、創る事が出来ると信じる未来について語っていただきます。
「......とは言え、撮影裏話などの楽しいトークをします。」とのコメントも、広川さんからいただきました!

また、品川のキャノンギャラリーでは、2月13日(金)〜3月24日(火)の間、同タイトルの写真展を開催中です。
どちらもお楽しみに!


日時

2015年3月11日(水)
20:00〜22:00 (19:30開場)

入場料

1,500円+ 1 drink order

予約

下記の本屋B&Bのページからご予約ください。

現在、東京・品川のキヤノンギャラリーSにて、写真集『BABEL ORDINARY LANDSCAPES
鋭意制作中の広川泰士さんの写真展が開催されています。

5日(木)からは、写真集『BABEL ORDINARY LANDSCAPESの初売りもございますので、
皆さまぜひお誘い合わせのうえ、足をお運びくださいませ。

Babel004.jpg



広川泰士写真展
BABEL Ordinary landscapes


会期

2014年2月13日(金)〜3月24日(土)
10:00~17:30
入場無料
日曜・祝日休

詳細(キヤノンギャラリーのページにリンクします)
http://canon.jp/gallery


イベント


ギャラリートーク
写真展会場にて広川泰士さんが作品について解説します。

日時:2015年3月7日(土)15:00〜
会場:キヤノン Sタワー3階 キヤノンホール S
(予約不要・参加無料)

日時:2015年3月14日(土)15:00~
会場:キヤノン Sタワー1階 キヤノンギャラリー S
(予約不要・参加無料)


場所

キヤノンギャラリーS 東京都港区港南2-16-6 キヤノンSタワー1階




bk-hirokawa-babel-02.jpg

東広島市立美術館が美術と生活・産業の接点において、人や美術とのかかわりを造形の視点から幅広くとらえ直すことを目指して開催してきた「現代の造形-Life&Art-」の9回目に、写真集『私は眠らない』の藤岡亜弥さんが参加されます。

テーマは「花」で、藤岡さんはブラジルのイペーの花にまつわる物語をテーマにセレクトした写真を展示しているとのことです。
展覧会全体では、漫画、彫刻、日本画、文学、ポップアートからサボテンアートまでいろんなものがあって
こんな展覧会ほかではなかなか見れないような自由なアート展だそうです!(藤岡さん談)

皆さまお誘いあわせのうえ、ぜひ足をお運びください。


作品を紹介する藤岡さん
AyaFujioka_150216-1.jpg

展示風景
AyaFujioka_150216-2.jpg

開会式の様子と、地元の中学生たちに作品紹介する藤岡さん(下の画像はクリックすると拡大して表示されます)
AyaFujioka_150216-3.jpgAyaFujioka_150216-4.jpg

AyaFujioka_150216-5.jpgAyaFujioka_150216-6.jpg

特別企画展-Life&Art-
「花-生きるということ-」


皆様は、「花」に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
花は私たちの暮らしの身近にあり、東広島市においても、山裾に広がるつつじやため池の水生植物など、古くから地域の身近に広がる花もあります。また、人々の生活に彩りを与える存在として、園芸や生け花、押し花などに活かされ、私たちの生活文化においても欠かせない存在になっています。
一方で、花はその美しさはもちろんのこと、種から育ち、最後は儚く散りゆく様から、古来より人間の一生にもたとえられてきました。こういった「花」のイメージに基づいた活動は、人々の心をとらえているのではないでしょうか。2015年は、広島にとって被爆70年という特別な年であり、展覧会の会期中には、東日本大震災から4年を迎えます。暮らしに身近な花から始まり、人間が「生きるということ」に迫ることは、共通テーマである「Life&Art」の「Life」の部分の根幹を、より深く考えることにもつながるのではないでしょうか。
今回の展覧会では、このような「花」や「生きること」といったキーワードのもと、絵画・彫刻・写真・漫画・映像・インスタレーションなど様々な分野の作品から、それぞれの作家の心にある「花」を表現する展覧会を開催します。
桜の季節に先立ち、「Art」でしか表現できない美しき「花」の世界をぜひご覧ください。


出品作家

石原悠一、内田雅三、岡原大崋、奥田秀樹、叢、久保田貴美子、神田博史、こうの史代、佐古昭典、鈴木たかし・間瀬実郎、ゼロ・ヒガシダ、橋本一貫、比治山大学学生グループ、福原匠一、藤岡亜弥、村上たかし
(50音順、敬称略)

会期

2015年2月13日(金)~3月22日(日)
休館日:月曜日
10:00~午後5時(入館は午後4時30分まで) 

入館料

一般 600(500)円
大学生 400(300)円   ※(  )内は20人以上の団体料金
高校生以下無料

場所

〒739-0144 広島県東広島市八本松南2丁目1-3
Tel082-428-5713 Fax082-427-3058

主催

東広島市立美術館

後援

中国新聞、NHK広島放送局、中国放送、広島テレビ、広島ホームテレビ、テレビ新広島、広島エフエム放送、(株)広島リビング新聞社、プレスネット、KAMONケーブルテレビ、FM東広島89.7

協力

株式会社NHKエンタープライズ、株式会社サタケ、広島県立西条農業高等学校、(公財)広島市文化財団 可部公民館、広島市立中央図書館


イベント等の詳細はこちらをご参照ください(東広島市立美術館のページへリンクします)
<< Previouse 3435363738394041424344