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周縁からのまなざし、そして「報告」                         

2012年に東京画廊BTAPで開かれた「Modernism 2011-2012 東北-東京-北朝鮮」から3年後、沖縄に長期滞在して撮りためた作品を加えた今回の展示は、東北ー北朝鮮ー沖縄、3つの周縁の地からの視点、と言う事になります。そして大事なポイントは「報告」と言う言葉をタイトルにつけた事です。これは写真展でありながらソーシャルアートなのです。レンズの向こう側と彼自身がどう関わっているか、に重点が置かれています。
周縁から、と言うと、周縁からどこを見ているか、気になるところですが、これがまさに彼のテーマ。それは東京と言う大都市であり、その中心で育った自分の事をさしているように思えます。周縁の地で暮らす人々と自分とのギャップや反対に似ているところを発見しながらパズルのピースを拾って行くような作業が行われているのではないでしょうか。

2011年の大震災後、特に日本のアーチストは対象に『関わる』事に敏感になりました。今回の安保法案反対デモでわかるように、一般市民である我々もやっと社会に『関わる』という意識を持たざるを得なくなりました。

関わって行く段階で、初沢の感じた矛盾や悩み、よそ者に何がわかるか、という彼等の反発も含め、他者と関わる事の難しさ。それでも関わらずに居られない必要性があって作品が生まれたのだと思います。『報告』の部分に彼の周縁に向かって行く意義が見つかるはずです。

今回の展覧会は彼の過去5年の集大成とも言うべき大きな展覧会です。

2015年 秋 アツコ・バルー


「権力と写真」

2010年〜2015年、被災地東北、北朝鮮、沖縄を廻り3冊の写真集を出版した。
東京でしか暮らしたことのない私が日本の周縁に降り立ち、権力の中枢を眺め返した時、我が身に染み付いた無自覚な権力的思考に直面させられることになった。
権力者の善意すら暴力と紙一重であることを改めて学ぶ年月だった。
中央と地方、旧宗主国と旧植民地、多数民族と少数民族。
問題の所在が抑圧される側ではなく抑圧する側にある、という自覚は多くの人にとって受け入れ難い。
北朝鮮問題、沖縄問題、言葉自体が暴力性を露呈する。
哀れな被災地、極悪非道の北朝鮮、楽園としての沖縄。
眼差す側が存在論的不安から逃れるために、不都合な周縁を特定のイメージで囲い込むことから暴力はスタートする。
イメージ化された現場の内奥にある「日常」を撮っているのですね?という軽率な質問にはこう答えるしかない。
世界には「日常」しかありません。

確かに世界は不条理と不正義に満ちている。そして、不正義を解消することは抑圧者にしかできない。
北朝鮮との国交正常化も、沖縄への基地の過剰負担も、我々本土人、日本人の手で克服するほかはない。
全ての不正義を解消してもなお不条理は残る。
私の意識で制御できない、私の意のままにならない。それが世界と写真に共通する本質だ。
世界にも写真にも中心はなく、撮影者の意思そのものも中心点にはならない。
「必然」に引き寄せたい欲望と不安の先に「写真」はいつでも存在する。
「私」が安心を求めてカメラを用い、安易に他者や地域に同化し状況を物語化すると写真は必ず閉塞する。
世界は私の思惑と関係なく存在している、という不条理に耐える胆力こそが、写真を解放するための唯一の道ではないか?

抑圧−非抑圧の二項対立のどこに立っているかを片時も忘れず、同時に多方向的に入り乱れる意思を集約することなく包摂し印画紙に定着させられるか。
私は不正義を解消しうる人間性に希望をもち、なお逃れられない不条理に喘ぐ人間を肯定する。
過去、現在、未来に渡り人間存在を全肯定すること。それが私にとっての写真的美学だ。

抑圧者として周縁を廻る5年の旅はひとまず終わった。
撮り手と見る側が美意識と不条理を共有しつつ、なお内なる不正義に意識を開いていく。
そんな展示を目指している。
それが写真家の挑戦であり、見る側にとっての挑戦でもある。

初沢亜利

ーーーーーー

初沢亜利の5年間の活動の集大成の写真展が決定いたしました。
みなさま、是非ご来場をお待ちしております。
トークイベント、在廊日等詳細決定いたしましたら、お知らせいたします。

概要

2015年10月31日(土) 〜 11月22日(日) /入場料500円(1ドリンク付き)
水曜日〜土曜日 14:00 〜 21:00
日曜・月曜 11:00 〜 18:00
※ 火曜日定休

トークイベント NEW

日時: 11月5日(木) 19:00~21:00
参加費: ¥1000 (includes a drink)
出演: 初沢亜利 × いとうせいこう

予約不要でどなたでもお越しいただけます。
皆さまぜひお誘い合わせのうえ、足をお運びください!


場所

渋谷アツコバルー arts drinks talk
〒150-0046 東京都渋谷区松濤1-29-1 クロスロードビル5F 
tel:03-6427-8048/fax:03-6427-8886
mail:ab@l-amusee.com

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写真集『沖縄のことを教えてください』の初沢亜利さんが、9月16日(水)にネイキッドロフトにて開催されるトークイベント
自由報道協会が斬る! 2015トークライブ VOL.9「沖縄県と日本政府の集中協議決裂〜どうなる新基地建設の行方」に出演されます。

皆さまお誘い合わせのうえ、ぜひ足をお運びください。



NEW
当日生中継配信されていたUstreamのアーカイブを下記よりご覧いただけます。
前半:http://www.ustream.tv/recorded/73360921
後半:http://www.ustream.tv/recorded/73369360




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自由報道協会が斬る! 2015トークライブ VOL.9
沖縄県と日本政府の集中協議決裂〜どうなる新基地建設の行方


沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設をめぐる沖縄県と日本政府の集中協議の最終会合が9月7日に首相官邸で開かれ、協議は決裂した。翁長雄志県知事は安倍晋三首相らに対し「全力を挙げて阻止する」と述べ、辺野古の埋め立て承認を取り消す意向を政府に示した。沖縄に1年4カ月間暮らし、この8月に写真集『沖縄のことを教えてください』を出版した初沢亜利さんと新基地の行方を考える。


日時

2015年9月16日(水)
OPEN 19:00 / START 19:30

入場料

予約 ¥1,000 / 当日 ¥1,500(共に飲食代別)
【WEB予約】 コチラで受付中
【電話】03-3205-1556 (16:30〜24:00)

出演

ゲスト:初沢亜利(写真家)
ホスト:大貫康雄(代表理事)、伊田浩之(監事)、他
(敬称略)

場所

ネイキッドロフト
〒169-0073 東京都新宿区 百人町1−5−1 百人町ビル 1F





奈良県の吉野の自然と、その土地にすむ人々の営みを撮影した、
百々武写真集『草葉の陰で眠る獣』の写真展が、撮影地の奈良県吉野で開催が決定いたしました!

夏が終わり、秋に移り変わるこの時期、四季の移り変わりを肌で感じながら
ぜひ、写真展にお越し頂ければ幸いです。
みなさまのご来場を心よりお待ちしております。

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奈良に育ち、いまも暮らしている百々が、吉野以南の集落や風景を撮影した力作。

山間部であるそこでは、自然や動物、人間も交わりながら、あるがままを受け入れ共生している。

春の桜、田植え、夏の虫、お盆、秋の祭礼、紅葉、冬の狩猟、新年。

万物が日常を繰り返し生き、渾然一体となって風土が続いてきた。瑞々しく、

ときにユーモラスでさえある光景のなかに、時間と記憶が刻まれている。

いずれも過疎の集落であり、今後の変容は避けられない。その未来の兆しも秘めて、充実の記録である。


会期

百々武写真展「草葉の陰で眠る獣」

日程:2015年8月24日(月)~ 2015年9月5日(土)
時間:初日12:00 〜 17:00、以降10:00  ~17:00まで。(最終日16:00まで)

作家在廊

 8月24日(月)、 9月5日(土)

会場

奈良川上村匠の聚ギャラリー
〒639-3541 奈良県吉野郡川上村大字東川135
TEL : 0746-53-2381/FAX:0746-53-2382

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写真集『夜明け』の山内悠さんの個展が、8月2日より蓼科山 聖光寺にて開催されます。
展示期間中にはトークと演奏会も行われます。
山内さんが会場を訪れている際には写真集『夜明け』の販売も行う予定です。

皆様、お誘い合わせの上、ご来場をお待ちしております。



山内悠写真展 「夜明け」

日時

2015年8月2日(日)〜9月13日(日) 
9:00〜17:00 料金:無料

イベント

山内悠(写真家)×内田輝(音楽家)トーク&演奏会開催。
日付:9月11日(金)時間:19:00〜21:00
料金:御布施
クラヴィーコードというピアノの原型になった16世紀の楽器。
神に捧げる楽器として生まれたその音色はまるで自然のささやきのようです。

静かな蓼科の初秋に「夜明け」の光に囲まれて
音の神秘に、生命の起原を訊く神聖な夜のひとときを。

場所

蓼科山 聖光寺
〒3910301 長野県茅野市蓼科高原4035 
TEL:0266-67-2397




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現在小社にて写真集『沖縄のことを教えてください』を鋭意製作中の初沢亜利さんのトークショーのイベントスケジュールをまとめました。
みなさまお誘い合わせの上、ぜひお越しください。

1)8月12日(水):初沢亜利 × 宮台真司
写真集「沖縄のことを教えてください」刊行記念トークショー/ネイキッドロフト

トークショーのお相手は昨年11月に「これが沖縄の生きる道」(亜紀書房)を刊行した宮台真司さんです。
沖縄に高い関心を持つお二人が、戦後70年の夏に何を語るのか?
とことんお話いただきたいと思います。

日時

2015年8月12日(水)
OPEN 18:30 / START 19:30

参加費

予約 ¥1,500 / 当日 ¥2,000(飲食別)

出演

初沢亜利(写真家)
宮台真司(社会学者)

申し込み方法

ネイキッドロフト店頭電話&ウェブ予約にて受付中です。
電話:03-3205-1556(16:30~24:00)
(ネイキッドロフトのサイトにリンクします)

会場

Naked Loft
〒169-0073 東京都新宿区百人町1−5−1
百人町ビル 1F




2)8月19日(水):津田大介 × 初沢亜利 × 東浩紀
「デモは辺野古を止めるのかーー『沖縄のことを教えてください。』刊行記念対談」ゲンロンカフェ

【東浩紀緊急登壇決定!】

2013年から2014年にかけて沖縄に移住し、
辺野古への米軍基地移設をめぐって揺れる沖縄を撮影し続けた写真家・初沢亜利。
7月刊行の写真集「沖縄のことをおしえてください」(赤々舎)では、
初沢が1年以上そこに暮らすなかで捉えた、
リゾート地のイメージの向こうにある沖縄が示されている。
そこには怒りを表明する人々の鮮烈な姿もある。

泥沼化した辺野古基地移設問題に解決策はあるのか。
沖縄が目指すべき道はどこにあるのか。

戦後70年の今夏、初沢亜利と、
ネットメディア「ポリタス」などで辺野古移設問題を多角的に提起する
ジャーナリストの津田大介、
そして、さまざまな媒体・イベントをとおして沖縄への発言を繰り返してきた東浩紀も緊急登壇し、
沖縄のいまを徹底討議。

日時

2015年08月19日 (水)
19:00 〜 21:00

参加費

前売券:¥2,600(1ドリンク付)
当日券:¥3,100(1ドリンク付)
※当日、友の会会員証/学生証提示で500円キャッシュバック 
ネットでは下記よりご購入いただけます。

出演

初沢亜利(写真家)
津田大介(ジャーナリスト)
東浩紀(作家)

会場

ゲンロンカフェ
〒141-0031
東京都品川区西五反田1-11-9 司ビル6F
(ゲンロンカフェのサイトにリンクします)





3)8月20日(木):津田大介 × 初沢亜利 トークショー/B&B

戦後70年を迎える今夏、沖縄が大きく揺れている。 青い海の南の『楽園』。 米軍基地の島。 二重のリアリティの内奥には何が存在するのか? 沖縄人の本音とは?
 1年3ヶ月沖縄に移住して撮影した膨大な写真から選び抜き、1冊の写真集となった。 
ジャーナリズムではなく、あくまでも個人的な眼差しの報告です。 
日本人として沖縄にどう向き合うべきか? 沖縄について共に考えるトークイベントになれば良いと思う。

日時

2015年8月20日(木)

出演

初沢亜利(写真家)
津田大介(ジャーナリスト)

参加費

参加費1,500円+1 Drinkオーダー
※ご予約は下記よりお願いいたします。


会場

B&B
〒155-0031
東京都世田谷区北沢2-12-4
第2マツヤビル2F
(B&Bのサイトにリンクします)



4)8月21日(金):初沢亜利×津田大介 NEW
赤々舎刊・初沢亜利写真集『沖縄のことを教えてください』刊行記念 トークセッション/ジュンク堂書店 那覇店

日時

2015年08月21日(金)
19:30 ~
参加無料

出演

初沢亜利(写真家)
津田大介(ジャーナリスト)

会場

ジュンク堂書店那覇店 地下1階イベント会場 
〒900-0013 沖縄県那覇市牧志1丁目19−29
D−naha
http://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=9891
(ジュンク堂書店那覇店イベントページにリンクします)




5)8月30日(日):茂木健一郎 × 初沢亜利 トークショー/Bギャラリー

日時

2015年8月30日(日) 
18:00~19:30 

ご予約

先着30名様 ※ご予約はBギャラリーまで

出演

初沢亜利(写真家)
茂木健一郎(脳科学者)

会場

〒160-0022 東京都新宿区新宿 3-32-6
TEL : 03-5368-7309
(Bギャラリーのサイトへリンクします)





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